栗坪・かみの地蔵尊の石造遺物(平群町福貴畑)

かみの地蔵

平群町役場から拡幅された県道250号線を600m程西へ進んだ先に、栗坪(旧地名)「かみの地蔵尊」のお堂が高台の上に立っています。

かみの地蔵
かみの地蔵(立像が二体祀られています)


栗坪という地名は現在の地図には見当たりません。県道から坂道を上がった先に地蔵堂があり、この坂道は初香台や光ヶ丘の住宅地に通じる入口として利用されています。お堂はとても見晴らしの良い場所で、生駒山から矢田丘陵に至るまでぐるっと見渡すことができます。古い地図で見ると、東へ「吉新、下垣外」、西へ「森、明心」、南へ「若井、越木塚」、北へ「梨本、上庄」と通じており、福貴の中心地に位置していたことが窺えます。

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福貴栗坪の信仰の中心地



かみの地蔵
かみの地蔵(江戸期、像高139cm、仏身86cm)


二体祀られているお地蔵さんの内、左に立つお地蔵さんは江戸期の造立と推測されています。お地蔵さんの摩滅が著しく表情は見て取れません。涎かけもかなり古くなっていて、お脱ぎいただくのに大層苦労しました。

かみの地蔵
かみの地蔵(上半身、斜めから)


どうしても表情を見たくて斜め上から撮影しました。

かみの地蔵
かみの地蔵(室町中期、仏身64cm、月輪径29cm)


もう一体のお地蔵さんは右上部を欠損しており、とても痛ましいお姿ですね。こちらの涎かけはどうしても手に掛けることはできませんでした。元に戻すのが困難なほど朽ちています。光背部分の月輪がとても立派で信仰の深さを感じさせます。

三角点
国土地理院・三角点の表示柱


さて、いつもの資料によると、この地は「栗坪西入り口の地蔵堂」と紹介されています。それには間違いありませんが、「かみの地蔵」というお名前があったようです。もしかしたら栗坪の地名とともに忘れられようとしている名前かもしれませんね。三角点巡りをしていて、国土地理院の発行する「点の記」で発見しました。しかしながら、そこに記されている四等三角点(点名:栗坪)は、地蔵堂の「盛り土」に埋もれて観測不可能です。是非、責任の所在を明らかにして頂きたいものです。


  • 訪問日[2016.11.16]

  • 参考文献
    奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
    点の記「四等三角点・栗坪」(平成21年12月25日調製)

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