千光寺旧参道のハイキングコースをてくてく歩くと、やがて信貴フラワーロード(西和広域農道)に架かる鳴川大橋の真下を潜り抜けて、薄暗い林に突入します。
清の滝石仏群(平群町指定文化財) |
ほどなくして「ザァザァ」と渓流の騒ぐサウンドが聞こえてくると川岸の両岸に大岩が目立つようになり、一帯の巨岩に刻まれた石造遺物に圧倒されることになるでしょう。
清滝(清の滝)修験道の行場 |
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清の滝石仏群は旧鳴川村の勧請地に立つ
勧請縄が張られた清の滝 |
勧請の地とは村の入口にあって、ここを通る人についてきた悪病神を祓い清め、村から出る人のご加護を祈る場所であり、縄を張ることでその境界を示しています。かつては何処の村々でも見られた風習で、平安時代後期からこの地に定着したと云われています。
磨崖仏八尺地蔵立像 |
ここでのお目当ては岩盤に刻まれた「磨崖仏八尺地蔵立像」です。緑に苔むした岩前に石燈籠が置かれて、ひときわ目立つ存在でした。しかし、辺りは日中でも薄暗い場所なので、細部のご見学を希望される場合や、仏さまの表情を克明に捉えるには一工夫必要です。200ルーメン程度のLEDフラッシュライトをご持参なさると良いでしょう。
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磨崖三界萬霊供養碑 |
磨崖五尊仏(五智如来) |
太鼓状の橋を渡った対岸にも興味深い石仏が磨崖されていますが、足元には十分に注意なさってください。ここを紹介する資料は豊富に存在しますので、お見落としのないようにゆっくりご鑑賞ください。上掲の供養碑や磨崖仏は鳴川の渓流を三途の川に見立てたもののようです。(川向うはあの世ですから、、、)
前鬼・後鬼の足跡の石 |
「前鬼と後鬼が役行者の滝行中に、子どもを連れてこの岩上で待っていた。」とされる大岩はすぐに見つかります。しかし、どれが誰の足跡なのかは特定できず。資料にても、「滝水による自然の造形である」とネタ明かしされる始末。しかし、奇岩であることには違いありませぬ。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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