旧春日神社本殿の墨書と変遷(東大阪市上四条町)

旧春日神社本殿

2009年の春先に旧春日神社本殿(東大阪市上四条町)を訪れた頃は、新しい住宅地が建設される真っ最中でした。区画された更地にはまだ建物の姿はなく、剥ぎ取られた自然が無残な姿をさらしておりました。

旧春日神社本殿
旧春日神社本殿(2009年撮影)


旧春日神社本殿の狭い境内が不釣り合いな風景に取り残されており、ここにも開発の手が伸びるのだろうかと危惧すら感じるほどでした。

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四条村の氏神だった春日神社


旧春日神社本殿
旧春日神社本殿(2016年撮影)


四条村の氏神だった春日神社は、ここより離れた旧村の東端にあって、明治五年に枚岡神社に合祀された際、社殿・石鳥居・石燈籠・狛犬がこの地に遷されたと云います。

旧春日神社本殿
狛犬一対と石燈籠


2009年の写真と見比べると、石鳥居の存在が気になりました。上掲の360°パノラマをグリグリ回してみても、どこにも石鳥居の姿が見えません。

旧春日神社本殿
春日大明神の扁額


気になる方はどうぞ現地でお確かめになってください。ここでの必見ポイントは二つあり、そのうちの一つが春日大明神の扁額です。木版のため風化が激しくてその内文字の判読が難しくなるでしょう。説明板によると宇治萬福寺の名僧「南岳悦山謹書」と刻まれているそうです。

旧春日神社本殿
天文九年(1540)の墨書


そして、もう一つが東側屋根裏(棟木面)に遺された墨書です。本殿は何度も造営を繰り返したのか、新旧部材の混在が見られると云います。昭和49年に東大阪市の有形文化財に指定されました。



  • 訪問日[2016.03.08]

  • 参考文献
    東大阪市 説明板

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