生駒山口神社の禊ぎ場(生駒郡平群町櫟原)

櫟原川

延喜式の古社である生駒山口神社の石段前に櫟原川が流れています。川に架かる神前橋の付近を御手洗川とも呼称し、小道を辿って河原へ降りると水流の浸食により見事な造形美をなす岩盤の上を清流が流れています。

御手洗川(櫟原川)
御手洗川(櫟原川)の禊ぎ場、神前橋下


資料によると「オハキツキ」という年中行事の際には、神官や関連の人たちがここで潔斎してから行事に参加すると云います。この行事は現在、「櫟原のオハキツキ」として奈良県の無形民俗文化財に指定されています。

御手洗川 - Googleマップ


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交通の要衝だった神前橋付近


御手洗川(櫟原川)の禊ぎ場
磨崖御幣陰刻石


年中行事以外にも山上詣り(大峰山)の登山行事に参加する人が精進潔斎の場所として禊ぎを行う場所でもありました。

首なし如来
首なし如来(鎌倉中期、阿弥陀如来立像)


神前橋を渡った御幣石のある対岸に首から上が欠損した如来立像が祀られています。三段の石垣の上に立っておられる様子から、かつては立派なお堂があったのかもしれません。

首なし如来
首なし如来(鎌倉中期、阿弥陀如来立像)


しばしば「首なし地蔵」と紹介されることが多い石仏ですが、至近距離でよく見てみると右手の印相は施無畏印であることがはっきりと分かります。左手の与願印は遠くからでも立体的に見えますね。鎌倉期の秀作をこのまま風化させるのは実に惜しい気がします。

  • 訪問日[2016.07.23]

  • 参考文献
    奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
    近鉄電車てくてくまっぷ(大阪ー3)千光寺・鳴川峠コース

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